ここ数年で中国のあちこちに旅行しておりましたら、米国のチェーン系ファストフード店を目にすることが多く、だんだん記録が溜まってきました。
もちろん、現地の個人経営のお店にも入るのですが、あえてマックやケンタッキーをウォッチしてみると、「おお!中華風にアレンジされてる!」と面白いのです。
今回は、みんな大好きマクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、スターバックスが、中国本土でどんなローカライズをされているのかお届けします。
【目次】
英語の店名をむりくり漢字表記するとこうなる
まずは、英語の店名を中国語で表現するとどうなるのか?を見ていきます。
英語から中国語に訳す場合は、下記の3パターンがあります。
- 意味を漢字で表現する:computer → 電脳
- 音を漢字で表現する:sofa → 沙発(シャーファー)
- 両方をうまくミックスして表現:Coca Cola → 可口可楽(kě kǒu kě lè)
という前提をちょっと頭に入れいただきまして…
McDonald's:マクドナルド → 麦当劳(Màidāngláo)
この漢字表記を発音すると、マイダンラオ。
って、ぜんぜん英語の発音と違います。
(まあ日本のカタカタ表記も英語の発音からは程遠いわけだが…)
英語の発音と中国語の発音が程遠いのは、もともとカントン語の音に当てた「麥當勞(マクドンノウ)」を簡体字にしたせいだそうです。
Kentucky Fried Chicken:ケンタッキーフライドチキン → 肯德基(kěn dé jī)
漢字表記を発音すると「ケンドゥージー」となって、「当たらずとも遠からず」な発音になりまする。
漢字の意味がわかる日本人の私からみると、この看板の書体もあいまって、徳の高い坊さんの名前か? などと思えるのでした。
(って、徳の字がまんま入ってるだけやんけ)
Starbucks Coffee:スターバックス → 星巴克珈琲(Xīngbākè)
スターは星、バックスは当て字で「巴克(バークー)」にした混合タイプ。
左上に描かれた絵文字のようなものは麗江で昔使われていた「トンパ文字」です。
Burger King:バーガーキング → 漢堡王
これは意味からきてますね。
中国語では、ハンバーガー=漢堡です。
よってハンバーガーのキング=漢堡王となります。
(写真がどこかにあるはず…あとで貼ります)
Pizza Hut:ピザハット → 必勝客
中国で通常はピザを披萨(pī sà)と表記するので、ピザハットは例外です。
「客」も普通話(中国の標準語)だと「ke(クー)」と発音するので、「ハ」と読ませるのはカントン語なのかもしれません。ちょっと誰か教えてください。
日本でも客家のことを「はっか」と読むので、その地域の読み方だと思うのです。
なにしろ店名が「必勝客」ですので、勝負ごとの前に行ってみると良いかもです。
周囲の景観に溶けこもうとする努力の数々
歴史的な建造物が立ち並ぶ中国の観光スポットでは、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、スターバックスもここまで景観に配慮しちゃいます。
配慮しつつも、ロゴなどで主張はしっかりしているのが面白い。
という事例を見て参りましょう。
マック ⇨ ケンタッキー ⇨ スタバの順にご紹介します。
景観に配慮したマクドナルドたち
Mのロゴが意外と主張していました。
景観に配慮しながらも、こちらもロゴの黄色は死守!
世界遺産の景観に配慮したケンタッキーフライドチキン
上海から列車とバスで行ける黄山の世界遺産「宏村」のケンタッキーは、こう!
ツイートしてみたら、けっこう拡散されたので、「世界遺産そのものじゃなくて、こういう身近なネタの方がウケるのか!」という気づきを得ました。
ここまで景観に配慮したケンタッキー初めて見た
— こけし山田✈︎引越し準備中 (@kokeshiyamada) April 14, 2019
@安徽省 宏村#上海黄山2019 pic.twitter.com/ZuQbgSivjU
別の角度では、意外とカーネルおじさんが主張していました。
宏村のケンタッキーは、内装も中華な要素にあふれております。
観光エリアの景観に配慮したスターバックスたち
続いては、スターバックスです。
成都の観光スポット「 宽笮巷子」は、古い建物を生かした飲食店などが立ち並ぶエリアです。スタバのロゴが暗闇にぼわっと浮かび上がります。
ここでは、中に入ってみました。
成都・窄巷子のスタバです。おされです。
— こけし山田✈︎引越し準備中 (@kokeshiyamada) October 19, 2015
プライス、めちゃ割高です。カフェモカのトールが27元。路線バスと地下鉄の初乗りが2元どすえ。 pic.twitter.com/UbeHc1uN7Z
大理の建築様式の特徴的は、グレーの瓦屋根と屋根下の壁面に描かれた水墨画。
それが、まんまスターバックスにも反映されております。屋根にご注目を!
米国でも日本でも体験できない独自路線のメニュー
続いては、実際に入ってみて、ご当地ならではのメニューを味わってきた模様をご紹介します。いずれも、本国はもとより日本でもお目にかかれないものです。
福建省アモイのマクドナルド→ 贅沢な中国茶づかいに脱帽
福建土楼を目指して2016年にアモイに行ったとき、バスターミナルでマックに入りました。
さすがお茶どころの福建省やで…
と唸らされるお茶のラインナップと贅沢な茶葉づかいでした。
↓ そのお茶だけに注目してみた記事。
中国各地のマクドナルド → 手軽にお粥が食べられて重宝
日本のマックではできないことが、中国ではできる!
それは、サクッとお粥が食べられることです。
早朝に空港に到着したときなど、とても重宝します。
わたくしの喜びが、当時のツイートからも伺えますね。
とりあえずケンチキで椎茸のお粥9元+ハッシュポテト7.5元。
— こけし山田✈︎引越し準備中 (@kokeshiyamada) November 22, 2018
去年重慶で食べた時よりだいぶ高い気がする。地域差? 物価が上がった?#天津平遥2018 pic.twitter.com/pxXVxYlYNs
マックでお粥が食べられるの有難いよ〜。ポテト餅と合わせて6元。
— こけし山田✈︎引越し準備中 (@kokeshiyamada) September 4, 2017
そういえば一昨日の朝ごはんで食べた重慶小麺も一杯6元だったな。外食では約100円〜朝食が食べられるってことやね
〔サンプル少なすぎですけど〕#重慶散歩2017 pic.twitter.com/HvTUGumBdf
中国のスタバでは、シーズンになると月餅が買える
2014年に上海に行ったとき、スタバのテーブルに月餅の広告が置いてあって驚きました。
そのときに初めて「ご当地メニューが面白い!」と意識しました。
以後、中国に行くたびに、ローカライズされたメニューに着目するようになったのです。
2014年の上海旅行にて
ぬあ。スタバ柄の月餅とな。 pic.twitter.com/6JK4ETB697
— こけし山田✈︎引越し準備中 (@kokeshiyamada) July 24, 2014
麗江のスタバでは、こんなに可愛いウサギのケーキが!
白いうさぎがあまりにも可愛くてオーダーしてしまったケーキ。
チョコプレートの中には「好愿(良い願い)」と小鳥が描かれております。
ケーキ28元+カフェモカ31元=59元(約 944円)
同じ日に食べた牛肉麺が8元、ホテルのダブルの部屋が1泊100元だったことからして、現地の物価と比べていかにお高いかがわかります。
ご当地マグカップや求人ポスターも要チェックです
店内には入っていないものの、気になったビジュアルがあったので撮ってきました〜
雲南省 大理古城のマクドナルドの求人ポスター
漫画のキャラが「なぜ鬼?」と気になって、墨文字も気になって、つい撮影。
「加入我我们吧」は英語でいうところのJOIN US!って感じですね。
成都の空港のスタバでパンダのマグ
というのも四川省にはパンダの生育基地があり、成都は観光資源としてめっちゃパンダ推しなのです。
スタバの成都オリジナルマグ、いい! パンダの後ろに典型的な中国建築が浮き彫りになってていい!
— こけし山田✈︎引越し準備中 (@kokeshiyamada) October 25, 2017
空港内にパンダグッズ屋さんがあったり、あちこちにパンダキャラをあしらったり、成都のパンダ推しは絶大。#雲南散歩2017 終盤 pic.twitter.com/UiywKBZuiw
てな感じで、中国のあちこちで中華ライズされた米国チェーンをウォッチしてみたら、存外に楽しかったのですよ〜
みなさんも、ちょっくら着目してみてくださいね。
それと、日本のマックとケンタッキーでもお粥を出して!!!
ご飯と味噌汁でもいい!!!
ハンバーガーにはぜんぜん興味がないわたくしからのお願いです。