それは、マチュピチュ村での出来事じゃった。
宿の部屋にいると、しきりに聞こえてくるカンカンカン…!ジャージャー!
という音。
どう考えても中華鍋で炒め物をしているとしか思えない音。
何ごと? どっから?
と気になっていたのですが、あっさり判明。
宿の目の前に中華レストランがあったので入ってみたのでした。
以下、そこから始まった、ペルーにおける中華料理「チーファ」体験→ 謎メニュー「空港」への疑問 → アジアンフォント「Wanton」まで。
見たこと&調べたこと&教えてもらったことをお届けします。
【目次】
- 1. マチュピチュで入った中華レストランに「空港」という名のメニューが!
- 2. ペルーで現地化した中華料理をチーファと呼ぶことが判明
- 3. 中華レストランの看板で使われる独特なフォント「Wanton」
1. マチュピチュで入った中華レストランに「空港」という名のメニューが!
マチュピチュ村で入った中華レストランにて。
私はスペイン語がわからないので、メニューの英語表記を見ていました。
そしたら、「AIRPORT」と書かれたメニュー群があるのですね。
AIRPORT。それは空港。ですよね?
今までさんざんツイッターなどで海外の怪しい日本語メニュー名を見ていたので、まずはこう思いました。
「まーた、Google先生のしわざだな」
しかし、原文のスペイン語メニューを見ても「Aeropuerto」と書いてあり、やっぱり空港なのでした。
な、なんで?
かりにも食事の名前が空港ってことある?
鶏の空港、豚の空港、牛の空港…
— こけし山田✈︎次は重慶 (@kokeshiyamada) 2019年4月29日
お宿の向かいにある中華レストランのメニュー、元ネタはなんなんだ。
英語の説明文によると、焼き飯と麺のミックスである。そば飯みたいなもんですね。
それがどうして空港になったのか。またGoogle先生の仕業か?#ペルー散歩2019 pic.twitter.com/dyIKjeYQYg
2. ペルーで現地化した中華料理をチーファと呼ぶことが判明
Aeropuertoについて調べると、それがペルーにおける中華料理「チーファ」の代表的なメニューであることがわかりました。
チーファ(Chifa)。また新しい用語が出てきちゃったよ。
長いけどWikipediaから引用させてもらいます。
チーファ(スペイン語: Chifa)とは、ペルーおよび周辺国で提供されている中華料理を指す用語である。チーファは、輸入品のためコストが高くなる中華食材の代わりに国内で入手可能な食材を用いて構成されている。中国系移民は主に19世紀末から20世紀前半にかけて、広州市をはじめとする広東省南部からペルーへと渡ってきた。彼らは首都リマの殆どの地域に居住している。チーファという単語は中国系のペルー料理を提供する店を指す用語としても使用される[1]。中国料理はペルーで提供される様々な料理の一部分として溶け込んでいる。
そして、上記のWikiページのチーファメニューの中に、「空港(Aeropuerto)」があったのです。
アエロプエルト (Aeropuerto、アロス・チャウファとタジャリン・サルタードを混ぜ合わせたもの)
アロス・チャウファは、チャーハン、タジャリン・サルタードは炒め麺のことです。
確かにメニュー写真に載っていたのも、そんな感じでした。
ここまででわかったことは、以下の2点。
- ペルーで中華系移民が産み出した中華料理を「チーファ」と呼ぶ
- その中に炒飯と炒麺を混ぜた「Aeropuerto」というメニューがある
しかしなながら、一番知りたいこと=なぜメニュー名が「空港」なのかが、さっぱりわかりません。
念のため中国語版のWikiも見てみたのですが、なぜ空港と呼ばれるのかノー説明でした。
日本語で出てくるチーファの解説は、この記事が詳しいのですが、やはり語源についてはわからないようで……
いったん、ここでリサーチをストップ!
どなたか、炒飯と炒麺のミックスをなぜAeropuertoと呼ぶのかご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
2019年6月3日追記:最後に教えていただいた語源を貼りました!
3. 中華レストランの看板で使われる独特なフォント「Wanton」
ここで「空港」から頭を切り替え、中華レストランの看板の書体へ飛びます。
最初は、このお店。
窓の飾り格子と黒いシュッとした書体が素敵だな〜と撮影したのです。
すると次にこんなお店を見かけました。フォントが似てる!
続いては、マチュピチュをバックに中華鍋を操る大将。
さらには、金さん経営のお店。
(いや日本語読みじゃダメですけど)
4軒に共通するのは…
- 文字を構成する線の太さにメリハリがある点
- 文字が踊ってる(スイングしてる)感がある
別々の店だけど、中華レストランの書体に共通点がある
— こけし山田✈︎次は重慶 (@kokeshiyamada) 2019年5月5日
※Chifaはペルーで現地化した中華料理#ペルー散歩2019 pic.twitter.com/zvQHrDDVVx
最初の2軒を見た時点でこのツイートをしたところ、リプライで色々と教えていただけました!
こういうフォントを「Chopstick」「Wanton」などと呼ぶのだそうです。
Wantonとは雲呑(ワンタン)のことと思われます。
フリーフォントのサイトで出てきました!
フランスおよび英国在住の方々からのリプライによると、アジアの料理・商品を扱っている店で、このようなフォントが使われているとのこと。
そういえば… とググったらドラマ「ビッグバン⭐︎セオリー」でよく出てくる中華テイクアウトの箱にも、まさにこのフォントが使われていたのでした。
https://kaigai-drama-board.com/posts/12527?p=2
しかもあの箱、Amazonで普通に買えちゃうんですね。
Chinese Take Out Boxes PAGODA 16 oz / Pint Size Party Favor and Food Pail by Fold Pak
- 出版社/メーカー: Fold Pak
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る
つまり、このフォントはペルーのみならず欧州、アメリカでも「アジア」を印象づけるデザインの一部として使われているのですね。
さて。
ビッグバン⭐︎セオリーまで飛びましたが、またグイッとペルーにもどします。
クスコの寿司バーの看板です。
Wanton font+刀のモチーフ+寿司のトリプルコンボ。
日本っぽさを最大限に表現したということですね。
ペルー旅行の終盤になって、この最終兵器が発見されたの面白かったです。
【まとめ的ななにか】
旅先で気になったことをツイートしたり調べてみたりすると、また世界が広がって面白いなあ、と思った出来事でした。
チーファのメニュー名「空港」の語源については気になるので、ご存知の方がいらしたら教えてください。
!2019年6月3日追記!
このブログのリンクを貼って「空港」メニューの件を教えて欲しい旨をツイートしたところ、教えてもらいました!
空港で働いてる労働者が仕事帰りにChifaに来たが全員が炒飯をオーダー。店では用意していたご飯が足りず、店主は麺を混ぜて増量したところコレが大人気に、って事らしいっす😮
— アニソン部長=兄忖淵男 (@anisonbuchou) 2019年6月3日