増田の内蔵。ってご存知ですか?
いきなりの問いかけかよ!そうです問いかけです。
私は、つい先日までその存在すら知らなかったのですが、秋田出張のお宿を探していたら、その存在を知ってしまったのです。行ってきたのです。
古い建物がお好きな皆様!!!
建物の中に蔵があるという、世にも珍しい「内蔵」。
秋田に行かれる際には、ぜひご覧なすってくださいまし。
ってことで、わたくしの体験談や注意点を置いときますね。
【目次】
- 1. 秋田出張のお宿探しで知った「増田の内蔵」
- 2. 浮かれ果てて秋田出張をエンジョイ
- 3. 渋すぎっ。重厚な扉がシンボルの増田の内蔵
- 4. お宿に併設されているバーも、実は蔵だったという話
- 5. 便利な飛行機を選ばなかったことが功を奏したのだ
1. 秋田出張のお宿探しで知った「増田の内蔵」
2018年10月某日。
コピーライターの仕事で秋田に行くことになったので、アクセスを調べたところ……
うーん。都内から片道4時間以上かかってしまう。
早朝に家を出て、帰りは真っ暗。丸一日つぶれます。
そこで「交通費以外にも、遠出の手当を出してもらえませんか?」と頼んでみたところ、去年のギャラ水準に10,000円を足した金額が提示されましてね。
よっしゃーーーー!!!
まだギャラは1円も入ってないのに、「秋田に泊まったろ」となったわけですの。
せっかく泊まるなら面白いお宿がいいじゃないですかあ。
だから、いつものように調べました。
このお宿がある十文字からバスで10分のところに、「増田の内蔵」という歴史的建造物群があるという。なんと!建物の中に蔵があるという摩訶不思議なつくり。雪から蔵を守るためとか。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月21日
こいつはもう見に行くしかないよね。https://t.co/61i0R7Y9lv pic.twitter.com/WkZZDVQmAU
リサーチの結果、良さげなお宿が見つかるとともに、ホテル予約サイトの口コミ欄で付近の見どころとして「増田の内蔵」がおすすめされていたのです。
これだ!
これで秋田出張のメインテーマが決まった!(仕事じゃないのかよ)
最初は「秋田か〜 遠いな〜 」と気が重かったけど、むしろ蔵の見学がメインだと思えば、がぜんやる気がモリモリ。
2. 浮かれ果てて秋田出張をエンジョイ
海外に行く以外はほとんと家に引きこもっているせいか、「仕事で」「遠くに」行けるってのが、ことのほか嬉しくてですね。
もうワクワクが止まらないのね。
新幹線に乗るのが楽しくて仕方ないのね。
先週は和諧号に乗って今週はこまちに乗ってる。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
新幹線のお楽しみといえばこれだおね。
比内地鶏めし弁当、うま〜#秋田出張さんぼ pic.twitter.com/zoR5ETq45J
行きの新幹線なのに、もうお土産を買っちゃってるのね。
車内販売の幸福朗クッキーがぎゃんかわなので購入〜 まだ食べない。#秋田出張さんぼ pic.twitter.com/XDCXPZrZum
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
増田の内蔵の最寄り駅はJR十文字です。やはり蔵推しなんだね。
駅の意匠から、その町の見どころを知ることができますね。
駅の待合室が蔵!っぽい pic.twitter.com/88OmNikhFF
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
内蔵があるエリアは「十文字駅からバスで10分」とあったのですが、そもそもバス停の場所がわからないし、地方の常としてバスの本数は絶望的であろう。
と判断し、速攻電話してタクシーを呼びました。
(もちろん、都内と違って駅前にタクシーが待機などしていませんっ!)
3. 渋すぎっ。重厚な扉がシンボルの増田の内蔵
タクシーが下ろしてくれたのは、「蔵の駅」という観光案内所です。
タクシー代は、十文字駅から1300円ほど。
荷物を預かってくれますし、生き字引的なおじいさんから直々に詳しい説明を聞くことができるので、起点にすると良いですよ。
観光パンフなども一通り揃っております。
増田の内蔵、見てきた!
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
ここは、観光案内所にもなっている「旧石平金物店」
この通路の奥にあるのが、蔵である。
普通は、蔵って母屋の外に建てるじゃないですかあ。
ここ、建物の中に蔵があるんだよ!#秋田出張さんぽ pic.twitter.com/bh1y8eIsuj
内蔵という不思議な建物のつくりに関しては、公式サイトをご覧くださいまし。
解説によると、北前船による交易で財をなした方々は蔵にかなりのお金をつぎ込んだそうです。しかも隣近所で豪華さを競うんですって。
「この扉だけで家が建つ」くらいの金額という話も出ましたよ。マジっすか!?
蔵の内側の戸を閉めたところ。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
それにしても、黒光りする黒漆喰がカッコええよお。ぴかぴかしてるのですよ。
職人さんが手で磨いたものらしい。 pic.twitter.com/75GvZ2brjX
この「手で磨く」というのは、文字通り手の平で磨くことらしいのです。
別の蔵では、たとえ話として「泥だんごも磨くとぴかぴかになるでしょ」と言われました。おおおおお!そうなんだ。
黒漆喰の磨き方については、こちら。
こちらの内蔵は、JR大人の休日倶楽部のポスターに登場しており、なんなら吉永小百合さんと同じ場所に立って撮影することもできるんですよ。
恐れ多くてやってませんけど。
増田の内蔵が登場しているのは、このポスターですよ。 pic.twitter.com/0LrwaDNpnl
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月26日
渋くて重厚な内蔵の写真より、小粋な障子の小窓の開け閉め動画が、ツイッターで拡散されましたよ。
うむ。SNS映えするのは、こっちか。うむ。
障子の小窓が開け閉めできることにびっくりしたよ。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
〔これは内蔵ではない部分だが)
この、スッと閉じる様子が気持ち良くて仕方ない。スッ pic.twitter.com/PEACLQs2t2
十文字駅の待合室の窓も、こういうつくりになってるということは、この地方特有のものなのかな pic.twitter.com/rNk84C87UU
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月26日
内蔵の見学が可能な家は、通り沿いに何軒もございまして、無料だったり有料だったり(といっても200円とか300円)します。
この蔵を擁している建物の全景がこちら。 pic.twitter.com/o4XlZmsDcd
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
こちらはまた、別の内蔵です。
実家の内蔵が重要文化財に指定されたってんで、ご主人は東京からUターンして蔵の管理をしているとのこと。実家が重文に指定されちゃうと大変です。
この蔵は、かなりの広さがございましてですね。
中でお茶がたてられるようになっております。
床板も、一枚板の幅が広いざましょ。
「ああ。もうこんな一枚板、もう今はなかなか取れないだろうな」などという感慨に浸ってしまいます。
なぜか写真には撮っていませんが、極太の立派な梁を見たときに、その手の気持ちが最高潮に達し、「ああああああ!この梁ーーーーーー!!!もう今はぜったい無理無理無理……」と頭から変な汁が出てきてしまいました。
怖い。わたし、梁でトリップできるんだ……
とんでもない太さの、黒光りする年代ものの梁。
というのが、自分の萌えポイントだということに気づきました。
突然ですが、ここで増田の内蔵見学のアドバイス!
ほとんどの内蔵は午後4時に閉館します。
なので、じっくり見て回るなら午前中から行った方がいいです。
私は午後2時頃に内蔵エリアに到着したので、3軒しか回れませんでした。
増田の内蔵を見学し、ちょっくらお茶してる。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
ぜんざいにいぶりがっこ、合う〜〜
てか、スモーキーな沢庵って、こんな美味しいんだ!前にも食べたことあるはずだが、ぜんざいとの組み合わせは新鮮だわ〜 #秋田出張さんぽ pic.twitter.com/l9n7b0NIiq
そうそう。
増田の内蔵エリアを見学していると、マレーシアのマラッカを思い出しました。
こういう「距離は遠いけど共通点がある!」ってのを見つけるのが好きです。
増田の内蔵を見学しているうちに、マラッカのヒーレンストリート(億万長者通り)との共通点が思い浮かんだ。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月25日
・交易で築いた財で自宅の内装に凝る
(マラッカは東西貿易、増田は北前船)
・そういった家が通りに何軒も立ち並んでいる
・敷地の奥行きがやたらと深い#秋田出張さんぽ https://t.co/0YCnkjgWWF
4. お宿に併設されているバーも、実は蔵だったという話
そもそも、増田の内蔵のことを知ったのは、お宿の口コミ情報からでした。
そのお宿の名は「Hostel&Bar CAMOSIBA」。
(泊まったのは別の部屋ですが、障子と簾がいい味出してる三人部屋をぺたり)
この建物の裏側にまわると…
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月26日
昨日見て回った内蔵と同じ扉の構造なのだ。 pic.twitter.com/BDpQTsSwVR
朝ごはんと晩御飯をいただけるバーは、もともとお茶の蔵だったらしく、昔のお茶の箱がテーブルと椅子になっておるのですよ。
バー部分の外観は、こんな感じ。2階部分が、めっちゃ蔵ですね。
この奥に宿泊用の建物があります。
5. 便利な飛行機を選ばなかったことが功を奏したのだ
お宿をチェックアウトし、ようやく仕事先へ。(仕事がオマケみたい)
取材先でカメラマンと合流してから発覚したのですが……。
なんと! その方は、東京から飛行機で秋田に来たとのこと。
実は取材先へのアクセスは、秋田空港からの方が便利だったんですよね。
ふだんは大阪に行くにも飛行機を使うほどなのですが、なぜか秋田出張では空ルートが1ミリも頭をかすめませんでした。
でも、おかげで「一泊しよう」→「宿を探そう」→「口コミで内蔵を知る」ことができたので良いのです!結果オーライです!
駅の渡り廊下に天然の額縁ができてる!#秋田出張さんぽ pic.twitter.com/fp5ibV8ABV
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月26日
こういう秋らしい景色も、電車で移動したからこそなんだな。
さらば秋田。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2018年9月26日
あ
新幹線が後ろ向きに走り出しちゃった#秋田出張さんぽ pic.twitter.com/wDHpizZ0uJ
こういう後ろ向きに進んじゃう体験も、電車だからこそなんだな。
不便なルートをチョイスしたことで、思いがけない出会いがありました。
そんな秋田出張でした。
自分で行き先を決めて行く海外旅も良いけれど、仕事で行く羽目になった地方で、たまたま知った見どころを歩いてみるのもいとおかし。
こういう旅、今後は積極的にやっていきたいですよ。
(しかも交通費は、他人さまが払ってくれるのですし!)