今回は、INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」を駆け足でご紹介します。
というのも、諸般の事情により(過去記事参照)タイルの博物館の滞在時間が限られていたので、めっちゃ焦って駆け足で館内を鑑賞したからです。
一般ウケしそうな感想を、すごく大雑把に言えば
- 実物のタイルを見ながら、タイルの歴史がわかるぞ
- 写真映えスポットもあって、写真撮りまくれるぞ
- ぜんぶで6棟あって、半日〜1日は遊べるぞ(たぶん)
ってことになるんだけど、今回はごくごく私的なポイントをご紹介しまっせ。
写真映えスポット、取り急ぎ2箇所をご紹介。
イスラム圏の国でモスクに入ると、天井にきらびやかな装飾がなされているわけですが、それが(小ぶりとはいえ)ミュージアムの中で再現されています。
モスクだとドーム天井は非常に高く、自分の頭の位置から相当に離れています。
が、ここなら比較的近い距離でタイル細工を見ることができるのです!
それでは、わたくし的な見どころ&助かりどころをどうぞ。
【目次】
- モロッコのモザイクタイルの裏側はそうなってたんかーい!
- 「マジョリカタイル」という呼び名は俗称だったんだねえ
- トイレやロッカーの案内板もちゃんとタイル
- マジ助かる:入場料の支払いにSuicaが使えた!
モロッコのモザイクタイルの裏側はそうなってたんかーい!
これこれこれこれ。
モロッコのモザイクタイルの裏側がどうなっているかを見ることができたのが、常設展での一番の収穫でした。
参考写真:前にモロッコに行ったとき、街のあちこちやミュージアム内で美しいモザイクタイルの装飾をどっさり見かけました。
下の写真は、マラケシュにあるモザイクタイルの工房の様子。
散策中にこの工房を覗いていると、赤いシャツのおいちゃんが「撮っていいよ」とジェスチャーで言ってくれたので、遠慮なく撮らせてもらいました。
そのとき工房から聞こえてきたのは、トンカチみたいなもので原料のタイルを割っているような音。
しかし、手元の様子までは見えなかったので、よもや裏側があんなことになってようとは、全然わかりませんでした。
(以上4枚は、モロッコ旅行の際に撮影した写真です)
バーン!!!!!!
これがモザイクタイルの裏側でござる!!!!(写真右側)
もっと薄い板が使われていると思っていたので、かなり厚みのあるゴロゴロした形状だったことに驚いたのです。
何しろ、現地だと観光客はタイル細工が出来上がった状態で、外側からしか見ることはできないわけで……
この感動、モロッコでタイル細工を見たひと以外にも伝わるだろうか?
伝わらないような気もするけど、お願い、書かせて……
こんなふうに「ああ!あれって、こういうことだったんだ!」とわかると、頭がキモチ良くなりますよね。
博物館に行く醍醐味は、こういうところにあるのだ!と力説いたします。
おかげで、次にモロッコでモザイクタイルを見るときは、「この裏側はけっこう厚みのあるゴロゴロなのだわ」という目線で見ることができますよ。
タイルの博物館には、ほかにエジプト、ウズベキスタン、オランダ、イギリス、中国、もちろん日本… と各国のタイルが展示&解説してあります。
なので、自分が思い入れのある国のタイルのことを、世界のタイル博物館で知ると、ひときわ楽しいんではないんでしょうか?
「マジョリカタイル」という呼び名は俗称だったんだねえ
わたくしはタイルの中でマジョリカタイルが一番好きで、ツイッターでもしばしば「マジョリカタイルがどうしたこうした」とつぶやいておりますけども……。
はるばるタイルの博物館に来て、この表示を見てびっくり!
ここでは、そんな名称では紹介されていないっっっっ!!!
博物館的な正式名称は「チューブライニングタイル」。
なるほど。チューブで線を引いたタイル、ってことですね。
え?え? なんだってえ〜〜?
これ、マジョリカタイルじゃないの?
自分が今まで使っていた名称が使われていないというのは、意外とショックです。
ショックを受けつつも、現代において正式名称がわかると何が良いかといえば、ネット検索がはかどることですね。
試しに「tube lining tile」でググったところ、線で縁取られた柄のマジョリカタイルの画像を拝むことができました。
「majolica tile」でググっても私の好きなタイルの画像は出てくるんですけど、ラインが盛り上がっていないタイプもありますね。
そもそも、マジョリカタイルの定義ってなんだっけ?
と、根本から見直さないといけないような気がしてきました。
トイレやロッカーの案内板もちゃんとタイル
ほかの展示物そっちのけでトイレかよ? そうです、トイレです。
博物館・美術館のトイレなどの装飾って、なにげにテーマとリンクしてたりするので、必見なんですよね。
私は「ミュージアムでは尿意がなくともトイレに入っとけ!」
をモットーにしています。
というのも、旅先で入った美術館・博物館のトイレの洗面台の装飾が素晴らしかったり、ドアの造形がむやみにカッコよかったりするからです。
なお、世界のタイル博物館の女子トイレの壁には、モダンなチューブライニングタイル(この名称をさっそく使う)が飾ってありますので、女性の方はぜひ見てみてください。
マジ助かる:入場料の支払いにSuicaが使えた!
この日、常滑駅を出る時点で手持ちの現金が600円ちょいしかなかった私には、入場料の電子マネー対応が非常に助かりました!
というのも、「やきもの散歩道」にある廻船問屋瀧田家の入場料が200円で「ここで現金を使うとINAXのミュージアムの料金が払えない。でも、ぜったい廻船問屋の屋敷はみたい!」という状況だったのです。
(そもそも、いい年こいて現金の手持ちが少なすぎなのが問題)
そこで、廻船問屋の前でINAXライブミュージアムに電話して、入場料金の支払いに電子マネーやクレカが使えるか聞いたところ「使えます」と。
おかげで、無事に廻船問屋瀧田家を見学することができました。
賢明なる皆さまは600円ぽっちをもって、博物館に向かうことはないと思いますが、念のためお知らせしておきます。
ちなみにミュージアムショップでも、クレジットカードと電子マネーが使えます。
おかげで財布の紐がゆるゆるになり、リンクを貼った2冊の本と、和製マジョリカタイルのレプリカ(送料込3000円ぐらい/限定70枚)を買ってしまいました。
てな感じで、世界のタイル博物館の、ほんのほんの一部をご紹介しました。
しつこいですけど、私がひっかかったポイントだけを駆け足で書いております。
皆さまは皆さまで、ご自分のひっかかりポイントを探してみてくださいませ。
タイル好きの方なら、ぜったい行って損なしのミュージアムですよ。

世界の装飾タイル―古代オリエントから近代まで、建築装飾を彩る文様の世
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