前回書いた麗江古城、たいへん満喫したわけですが。
なにしろ一大観光地であり、視界に押し寄せる圧倒的な情報量と人の多さに「もうお腹いっぱいで疲れた…」となってしまう場所でもありました。
それと対象的だったのが、今回ご紹介する小さな村、白沙鎮です。
麗江に行くまでは、この村の存在を知らかったのですが…
麗江古城で泊まった宿の女性に、「束河古鎮」に行く予定だと伝えると、こんな答えが返ってきたのです。(会話は英語で行われました)
「束河は麗江を小ぶりにしたような観光地なので、行くなら白沙が良いよ。私が行った10年前は車も走っていないような田舎で、とても良かった。今はさすがにそれほどでもないけど、まだナチュラルな状態でおすすめ」
(うろ覚えながら、こんな内容。英語のnaturalが頭に残っています)
よし!それだ!
人に勧められたらとりあえず乗ってみる性分です。
ってことで、白沙鎮に行ってみることにしました。
【目次】
1. 麗江古城から白沙鎮への行き方
麗江古城の大水車の近くにタクシー乗り場があります。
そのタクシー乗り場付近にある「あっちがバス停」という看板(実際は中国語)に従って進むと銀行の前にバス停があります。
そこから6番のバスに乗ってください。
料金はたぶん1元か2元です。
バスに揺られること30分。
窓の外の風景が、街から村へと変化していきます。
農家の人が牛を引いて歩いている様子が見えたりしますよ。
着きました!このバス停で降りてください。
私が乗ったときは運転手さんが大声で「白沙〜 白沙〜」と教えてくれました。
このバス停で降りた後に、どこに行くかで歩く方向が決まります。
A:白沙壁画を見に行くなら、前に進む。
B:壁画を見ずに村に行くなら、後ろに進む。
A:壁画エリアに行った場合はこうなります
とりあえず「なんだか壁画が見どころのようだし見ておこう」と前に進みました。
見落としようのない、この看板が目印です。
ここで注意!
壁画エリアに入るには入場料30元が必要なのですが、「麗江古城の保護費」として80元も同時に徴収されます。なんでやねん。
その80元は、気分的に麗江古城に入るときに払いたかったな。
さて、この白沙壁画の敷地内。
壁画があるのは薄暗い建物の中だし、立ち位置から壁画までの距離があるので、ほとんど目視できないのですよね。
しかも、敷地内にある複数の建物が、なぜか閉まっていたのですよ。
こんな感じで。
うっうーん。
仕方ないので、ツッコミどころのある看板を撮ってみたり。
右:一文字ずつ英訳したことにより、アクロバティックな表現に。
左:ピンイン表記により、英語圏の人にはHALLということしか伝わらない。
でもね、でもね。
見られるものがなさそうな中でも、なんとか見どころを探すのが旅の醍醐味ですよ。
おうおうおう!
石畳がグレーとグリーンのチェック模様になっててステキ!
一体これはどんなマジックなんだい?
苔よ。お前のせいか。
というふうに、見どころが有るような無いような壁画エリアでした。
なので、皆さんは110元払ってまで、ここに入場しなくても良いかもです。
この壁画エリアを省く場合は、こうなります。
B:壁画を見ずにダイレクトに村に行くなら後ろに進む
バスを降りたあと、来た道を少し戻って、右側に伸びる道をずんずん進んでください。
たぶん、ここに出ます。
この門が白沙のランドマークです。
「??文化遺産納西族古王国之都」と書いてあるように、白沙はナシ族の村です。
なので、ナシ族の象形文字であるトンパ文字も少し見かけましたが、麗江古城ほどにはトンパ文字推しではありませんでした。
ってことで、村の中をテキトーにぶらぶらしましょう。
2. 白沙鎮の魅力とは?のどかさです
お土産屋さんもあるにはありますが、全体的にのんびりしているのですよねえ。
キラキラの観光地・麗江古城とのギャップがすさまじいです。
ご馳走を食べた翌朝のお粥にホッとする感じでしょうかね。
こんな比較もできます。
麗江古城:世界遺産に指定されバリバリ観光地化 →フルメイクの美女
白沙鎮:文化遺産に指定されているが、ふんわり観光地化 →すっぴんの田舎少女
どっちの持ち味も良いのですよ良いのですよ。
山が近いな〜 と思いながらぶらぶら。
青い空に映える土壁が良い!などと思いながらぶらぶら。
土壁というか、土で作ったレンガを積み上げているわけですけど、異なる色を組み合わせているのが面白いです。
この石造りの壁も地味に良いですねえと感嘆しながら、ぶらぶら。
右側の写真をご覧くださいまし。
角ばった石ではなく、こんなに不規則な形を積み上げてるのって逆に凄くない?
この状態でよく崩壊してないな、と不思議に思いました。
珍しい後ろ姿を発見。
麗江でちょくちょく見かけた瓦猫、白沙鎮にもいました。
こんな感じで白沙鎮は地味なのですが、そこが良いのでしばしお付き合いくださいませ。
牛がいます。普通に道を歩いてます。
おそらく畑でひと仕事終えてきた現役の牛さんですね。
後ろ足がめっちゃ泥だらけですね。
上の牛さんの後を子牛が追っているわけですよ。
私が持っていたキャリーケースに一瞬興味を示して近寄ったあと、プイッと行ってしまいました。キュン…!かわええ…めんこい…
続きましては…
はい。トウモロコシです。
門から黄色いトウモロコシが見えていたので、入り口にいたおばあさんに「可以拍照吗?(写真を撮ってもいいですか)」と声をかけて門をくぐりました。
中にいたおじいさんにも声をかけ、快く「可以、可以」と言ってもらえました。
言ってみればただのトウモロコシですけどね。撮りたかったんですよ。
こういう感じで、のどかな村をぶらぶらします。
売っているものも圧倒的に素朴です。
この巨大な松ぼっくり、どうやって消費したらよいのでしょうか?
荷台に積んであるものも、麗江古城とはぜんぜん違いますよ。
私にはどうにもハリネズミに見えてしまいました。
と、ご紹介してきた白沙鎮。
実はわたくし、白沙鎮には2回行きまして。
1度目は麗江から日帰りしたのですが妙に気に入ったので、泊まるつもりで翌日にまた来てしまったのです。
そんな状況ゆえ宿の手配をしていなかったのですが、歩いているうちに数件の宿が目に入ります。「⚪︎⚪︎客棧」という看板が目印です。
適当に入ろうとした1軒目の宿が応答なしだったので、2軒目にトライ。
ワンワンと激しく吠えるヨーゼフ(勝手に命名)がお出迎えですよ。
このお宿が大当たり!でした。
このときのツイートがこれです。
白沙鎮で適当に入った宿が大当たりだ!古い家屋の2階をキレイにリノベーション。水回りはピカピカ。広々としたベランダには、なぜか望遠鏡もあるでよ。
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2017年10月18日
オーナーのおばあちゃんは中国語オンリーだが、お孫さん?が英語で通訳。(英語が通じて助かったよ…)
一泊240元。 pic.twitter.com/PDD9qWNtTN
改めてご紹介しましょう。
室内は、水回りも含めてぴっかぴかにリフォームされています。
ベランダに面した窓がこんなに大きいので、異様なまでの開放感が…!
圧巻は広々としたベランダです。(上の写真右側と下の2枚)
3箇所も椅子が設置されていますから、くつろぎ放題ですよ。
左:部屋から中庭を眺めた様子。
右:1階の部屋の前まで来てみました。
この宿のつくり、既視感があるなと思ったら、モロッコのフェズで泊まったリヤドとそっくり!ですよ。
つまり、くつろぎスペースの中庭を囲むように客室が配置してあるのです。
さらなる共通点は、 中庭に面した部屋の扉に美しい細工をほどこしてある点です。
部屋の中にあった注意書きにヨーゼフが登場していました。
「木造の建物で音が響くから静かにね」的なことが書いてあります。
確かに2泊目に1階の部屋に移動したら、上階の物音がかなり響きました。
部屋の中のレンガの侘び寂び感 vs. QRコードで情報が入手できる先端感
このお宿に泊まった夜、7時半頃に晩御飯を食べに外に出たのですが。
なんってこった!
小さいながらもちょっとした観光地なのに、飲食店が開いてないのです。
ええええ!ちょ、ちょっと…
夜遅くまで賑わっていた麗江古城とのギャップが…またしても発揮されました。
そこで、晩御飯は露店で買った果物に決まりです。
すでに外は暗くなっていたので、ISO感度上げまくって撮ってもブレブレ。
リンゴらしきもの、桃らしきもの、未知のものを買いました。
結果…リンゴらしきものは実は梨であり、桃らしきものはガリガリの果肉。
アルマジロみたいなものは蛇皮果、英名はサラ(もしくはサラサ)といいまして、すっっぱい果実の中にビワ並みの大きな種が入っております。
右下の白い果実は、ペピーノというナス科の南米原産フルーツでした。
この中では、ペピーノがイチ押し!です。
などとのんきなことを書いていますが、実はこの夜に盛大に腹を下しました。
直前に口にしたのが、これらの果物なので、とりあえず犯人扱いしておきます。
水道水でざっと洗って口にしたのが敗因かと察せられます。
怖くなったので、以降の雲南旅では果物は熱湯をかけてから食べることにしました。
しかしながらね。禍福は糾える縄の如しって言うじゃないですか?
思いっきり腹を下したので、翌日も体を休めるために、同じ宿にもう1泊することにしたのですよ。2階の部屋が理想的でしたが、予約があるそうで1階に移動。
そこで半日ほど伏せって休息していたところ、お宿の5歳児となんとなく話す機会があったのですよねえ。赤いセーターを着た「地下鉄のザジ」みたいな女の子です。
わいの中国語を試すチャンスや!と話してみると、子供はこちらが外国人であることに配慮してくれませんから、自分の中国語のダメさ加減を噛みしめました。
とはいえ、なぜか「食べる?」ってムカゴをくれたりね。
自分では仲良くなれたと思っておりますよ。
そうこうしている間に、なんとなく流れで、「今日は一緒に晩御飯を食べない?」とオーナーのおばあさんに言われまして、遠慮なくご相伴いたしました。
そのときのツイートがこちら。
今日はなぜか宿のご家族と夕食をご一緒することに。インゲンの煮物、小ぶりのピーマン(日本豆と呼ぶらしい)の炒め物、鶏と松茸のスープなどなど。松茸が惜しげもなく入っていてびっくりだ。わいの中国語はまだまだだが、たまに通じると嬉しい。もっと頑張るぞ#雲南散歩2017 pic.twitter.com/GMI6RDyqUm
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2017年10月19日
料理を作ってくれたおばあちゃんは成都出身だそうで、まずおかずはおかずだけ食べた後に、皿に残った辛い赤い汁をご飯にかけて食べていて、ふぁ〜〜!これが四川人の辛味耐性か!と隣の席で目を剥きました…
— こけし山田 (@kokeshiyamada) 2017年10月19日
スマホや筆談も駆使しながら、多少なりとも交流できて嬉しいな#雲南散歩2017
結局は、これが白沙の一番の思い出になっているのですよねえ。
麗江の宿ですすめられた白沙になんとなくやってきて、気に入ったので再訪して1泊し、腹を下したら、結果的にお宿のご家族と晩御飯。
旅先で流れに身をまかせるってこんなに楽しいんだ!
と改めて感じた白沙滞在でした。
なので、皆様に別にこの宿をすすめるわけではありません。
皆様は皆様で、その時の旅先の流れに身を委ねてみたらイイのでは?
などと思う次第でございますよ。
また行きたいです白沙。
次はちょっと手前のバス停で降りて、白沙鎮よりさらに何にもない田舎道を歩いてみたいと考えております。
あ。麗江に戻るには、あのバス停からまた6番のバスに乗れば大丈夫ですよ。
2018年1月10日追記
約4年前の白沙の様子が記されているブログ記事です。
麗江古城と比べて「開発されてないなあ」と思った白沙ですが、この時は、もっと素朴な状態だったのですね。
中国の古い町は、どんどん開発が進んで「それ、開発しすぎーーー!」な状態になってしまうので、一刻も早く訪れたほうがよさそうです。(自分へ言い聞かせるように書いています)