重慶に行く前にリサーチして、ここには絶対に行く!と決めていた街。
それが下浩老街です。
訪れたのは、2017年9月頭の土曜日。
わたくし、中国か台湾に行くときは、できるだけ「老街」に行くことにしております。
そもそも老街とは何か?
実は私も定義は知らないのですが、読んで字のままだと思います。
古い建物・街並みが残っているエリアです、たぶん。
重慶の下浩老街のことを知ったのは、エイビーロードのこの記事。
さらに、NHK「まいにち中国語」のテキストの口絵でも取り上げられていました。
〜寄り道〜
NHK「まいにち中国語」のテキストでは、「老街古道」という連載が続いており(※)、「これは私のための記事ですよね?ね?」と思いながら読んでおります。
中国の老街の記事は日本で貴重ですので大変助かります。
ぜひとも連載をまとめて単行本を出していただきたいです。
(※2017年10月現在)
〜本道へ〜
さて、下浩老街へと参りましょう。
最寄駅は、重慶軌道6号線の「上新街」駅です。
駅を出て、重慶を代表する巨大な橋「東水門大橋」方向へ歩きます。
右側を見ながら歩くと、道路脇に「ここから下に行けそうだなあ」と思える道がありますので、降りていきましょう。
私が行ったときは、道の周辺に瓦礫が積み上がり、足元はガタガタで、「はて?ここは入っていい場所なのだろうか?」という様相でした。
不安を感じながら歩いていると、前方から一眼レフをぶら下げた若者が2人。
少なくとも、現地の人が街歩きをするエリアではあるようです。
さらに進むと数人の女子グループも目に入り、「一応、観光地ということになっているのだな」と安心しました。
わたくし好みの古い建物たちが、静かにたたずんでおります。
あえて「静かに」と書きますのは、重慶の繁華街はうるさいほど賑やかだからであります。
その喧騒に慣れた状態でここにたどり着いたので、静けさが身にしみたのでした。
以降は、ひたすら古い建物たちを眺めまわしながら、そろそろと歩きます。
あまりにも静かなので、人は住んでいないのかもしれないなあ。
と思っていると、ぽつぽつとお年寄りの姿が見えるのでした。
おそらく、下浩老街にあるほとんどの建物が廃墟だと思われます。
というのも、「拆(chāi)」という字をたびたび見かけました。
拆は「取り壊す」という意味なのです。
私はいつも一人旅ですので、歩きながら大声を出すことはないのですけども、それは置いといても、ここでは声を出すのがはばかられるのでした。
声を出したとしても、まわりの静けさの中に吸い込まれてしまいそうです。
よく森を形容するフレーズとして使われる「鬱蒼とした」という表現が似合います。
ブラックジャックな 猫が見守るこの配管、まだ現役なのでしょうか。
静かに静かに歩いてきた下浩老街散策も、そろそろ終わりです。
入ってきたのとは反対側の、出口っぽい階段を上って街の外へ出ます。
階段を上りきって振り返ると、この看板が私を問い詰めてきました。
「取り壊し区域。安全に注意。入らないでください」
わーーーーーー! ごめんなさいごめんなさい。
誰に対してだかわかりませんが、とりあえず謝ります。
すでに散策を終えた後でこの看板に遭遇して良かった。
こっちから入場しなくて良かったです。
皆様も、絶対にこっちから入らないでくださいね。
もちろんあっち側からも入ってはダメですよ。